くさいにおいの中にいい匂いが含まれる!?においの不思議とフェチ
においとは不思議なもので、よくよく嗅いでみるとくさいにおいの中に少し良い匂いが含まれていることがあります。反対に良いにおいの中に少しくさいにおいが含まれていることもあります。例えば、くさいにおいを10として、内訳がくさい8+良い匂い2になっていることがあると言う事です。反対で良い匂い10として、内訳が良い匂い8+くさい2と言うこと。
濃度によっても人が感じるにおいは変わってくる場合があります。濃度が薄い時はいい感じなのに、濃くなって行くと不快に感じるものです。代表的なもので香水のムスクがそうです。ムスクはジャコウジカ(麝香鹿)の睾丸から分泌されるものです。直接においを嗅ぐと刺激を受けるような重いにおいですが、薄めていくと甘い香りの香水になります。
いいにおいを思い浮かべると
「いい匂い」+「いい匂い」=「いい匂い」や「よりいい匂い」
で成り立つと考えますが、場合によって
「少しくさいにおい」+「いい匂い」=「深みが出るにおい」や「爽やかなにおい」
になるのです。
いい香りのワインの中にもくさいにおいが含まれているものもありますし、ジャコウネコ(麝香猫)の糞から取れるコーヒーの種で作ったコピ・ルアク(一杯100ドルもする高級コーヒー)も同じような、「少しくさいにおい」+「いい匂い」=「深みが出るにおい」と言えるでしょう。
また、一種類だといい匂いなのに、他のにおいを混ぜると凄い嫌なにおいになることがあります。複合臭とも言われます。下駄箱やゴミ箱で二種類上の芳香剤などを入れた時に、凄くにおいがキツくなることでも実感出来ます。この場合は、「いい匂い」+「いい匂い」=「強いいい匂い」になり、これが不快なにおいと感じてしまうのです。
今主流の消臭剤でもにおいの不思議を利用した消臭方法があります。ペアリング法と言い、くさいにおい物質を他のにおい物質と合わせて、健やか、爽やかなにおいにさせると言うものです。
においフェチ?適合性ともう一度嗅ぎたいと思う性質です
汗臭い、男臭い、オヤジ臭いなどの体臭や汗のにおいは一般に嫌なにおいとされてます。でも女性でこれらのにおいが好きな人はそこそこいます。ただ恥ずかしいから言えない人がほとんどで、言える人は「においフェチ」と言っている人が多いです。
においを発することと感じることは、オスとメスが相手との適合性を見るものだとも言えます。生物の世界では、メスがオスを選ぶ権利がありますので、このような行為があるのでしょう。
ただ男性がにおいフェチと言ってしまうと、ニュースで見る「女性の靴を嗅ぐために大量に盗んでしまう」ことを連想させる場合があるので気を付けましょう。フェチとはフェティシズムで男性のフェチと女性のフェチとでは、愛好する妄想の世界と人の性質との違いもあるのでフェチの使い方にも注意しましょう。
人はくさいにおいをもう一度嗅ぎたいと思う性質があります。ブルーチーズやくさやは食べない人はかなりくさいと感じる食べ物です。しかし我慢して食べてみるとにおいにも慣れるせいもあり、においの中にいいにおいが鼻に抜けてくるのです。これがおいしく感じる人はハマってしまうのです。他のにおいがキツイと呼ばれる食品も同じことが言えます。くさいけどもう一度嗅ぎたくなるのは、においがフェロモンとの関係を表しているのでしょう。