くさいにおいを消す方法を小難しく言うと？脱臭と消臭の違いは？
くさいにおいを消すために、よく香り付きの消臭スプレーや芳香剤を使います。これはただ単にいい香りを振りまいているわけではありません。においとは目に見えない物質で小さなツブツブです。そのにおい物質を除去や減少、変化、中和などさせてにおいを感じなくさせているのです。
よく消臭剤の説明でマスキング法があげられてますが、今の主流の消臭剤や消臭スプレーは科学的方法かペアリング法で消臭しています。においを消す方法を学術的に小難しく言うと以下の4つがあります。この中でも人の体に触れるものや部屋、下駄箱などで使う方法は物理、化学、感覚になることが多いでしょう。
においを消す方法
物理的方法
多孔質物質などで吸着、吸収させ物理的に除去する。消臭効果のある中敷きや冷蔵庫などで使う脱臭剤、活性炭などです。くさいにおい自体を根本から取り除くので一番いい方法ですが、吸着容量がそんなに多くないため脱着する必要があります。
科学的方法
くさいにおい物質と消臭物質を科学的に反応させ違う物質に変化、中和させる。現在販売されている消臭剤や消臭スプレーはこの方法かペアリング法（感覚的方法）が多いです。においには酸性、中性、アルカリ性があるので目的にあった物を使うようにします。昔より行われていた酢、重曹、クエン酸で中和させるのもこれにあたります。また、揮発性物質を不揮発性にさせるなどもあります。
感覚的方法
感覚的方法にはマスキング法とペアリング法があります。
●マスキング法：くさいにおいにをより強い匂いで覆い被せて違うにおいにします。くさいにおい自体は感じなくなっても、くさいにおい物質はそこに存在してしまっているので根本的な解決策にはなりません。芳香剤や香りが強いスプレーなどです。
●ペアリング法：くさいにおいの中にもいい匂いが含まれており、それを利用して違うにおい物質を合わせて爽やかな香りにします。今主流の消臭スプレーはこの方法も多いです。
生物的方法
におい物質を微生物に分解させたり、薬剤で細菌が増えないようにします。においを消すには時間が掛かり、コストも高いために一般的ではありません。身近な所ではゴミやペットなどの商品で使うことがあります。バイオ系として発酵や微生物、土壌などがあり、抗菌系として殺菌剤、抗菌剤、ハーブやお茶などの成分の商品があります。
脱臭と消臭の違いは何？
脱臭と消臭の違いは、協会や消臭剤メーカーによって多少の違いはあります。消臭剤メーカーや私達だと全般的に消臭と呼んでいることが多いと思います。芳香消臭脱臭剤協議会の自主基準を要約するとこのようになります。
- 脱臭とは、物理的な方法でにおい物質を取り除くまたは軽減すること
- 消臭とは、科学的、感覚的な方法でにおい物質を取り除くまたは軽減すること
市場に出ているの製品の意味ではこのようになります。
- 脱臭剤 ：物理的ににおい物質を除去または軽減するもの
- 消臭剤 ：科学的、感覚的ににおい物質を除去または軽減するもの
- 防臭剤 ：においを抑えたり、広がりを防ぐもの
- 芳香剤 ：香りを発生させるもの
その他として大掛かりな脱臭/消臭があります。においを発生する施設、職業、物、水産、畜産などの脱臭/消臭です。
洗浄法 ：水や薬品による洗浄、溶解、吸着、科学的中和、酸化反応で脱臭する
吸着法 ：吸着物ににおい物質を吸着させる
燃焼法 ：燃焼させて酸化分解させる
凝縮法 ：臭気ガスを冷却してにおい物質を凝縮させて除去する
生物的脱臭法 ：土壌や微生物により分解させる
プラズマ脱臭法 ：高周波放電でオゾンや活性成分などを発生させ酸化分解させる
オゾン脱臭法 ：オゾンと混合させて触媒上で反応を速やかに行い酸化分解させる
光触媒脱臭法 ：酸化チタン光触媒に紫外線を照射して酸化分解させる
酸化分解とは
有機物を二酸化炭素にしてしまうことです。有機物は完全に酸化されると二酸化炭素になります。よく汗が酸化されるとくさくなる言いますが、酸化途中で酢酸などが作られてそれがにおうためです。
有機物とは、人、生物、カビなど炭素が入ったものです。燃やすと炭になるもの。
無機物とは、水、空気、金属など生物に由来しないもので、燃やしても炭が発生しないもの。